仕事とはお客様の悩みを解決することである

仕事と人生

この考え方、実は聞いたことがない人が意外と多いのかも?しれません。

どんな商売でも有形無形問わずサービスを提供=販売しているわけですが、当社みたいに工場であったり下請けの仕事しかない場合には、そこで働く人たちは「仕事=悩みの解決である」というビジネスの本質を聞いたことがないかもしれません。もちろん自分も知らなかった過去があります。

会社勤めをすればどこも“お客さまのために”と方々で言われますが、上司から言われる作業をこなすことが仕事だと思っている人もいるかもしれません。実際には知らないというよりは”教わってない、聞いたことがない”といった方が近いと思います。現場ではルール通りに業務をこなしていきますが、肝心な「仕事とは何か?」といった本質的な問いを立てて教育する職場なんて相当少ないのではないでしょうか。

悩みを解決すること。聞けば誰もが納得すると思いますし当たり前だと思えるかもしれませんが、聞いたことがなければ仕事とは“会社で働くこと”といった、なんとなく抽象的に理解しているだけの人が多いのではと思います。

つまり、”悩みを解決する”という「言語化」された言葉を聞いて初めて仕事というものの目的とか、なぜこれをやらなければならないのか?といった一段踏み込んだ理解ができるのではないでしょうか。こんなことを書いている私も過去に3つの職場に勤めて業務や社会人としての振る舞いを叩き込まれましたが、一つ一つ本質的なことなどはほぼ教わったことがありません。私はどちらかといいますと現場寄りの仕事を好きで選んできましたので、営業開拓や販売、マーケティング、開発現場などドラッガーのいうところの「顧客の創造」を軸とした仕事であれば、当たり前の考えでしょう。

少し話が逸れますが、15、6年前、社内で何か新しいことを始めなければと新規事業なるものをはじめました。
知識も経験も人脈もないないづくしの状態で、見事に目も当てられないほど散々な失敗を繰り返しました。小さく動いていたとはいえ、おそらく3~4年間で経費も含めて2000万は使ったと思います。

何もかもうまくいかない絶望を感じていた2015年にとある起業塾に入りました。出会う人、見聞きする全ての内容が新鮮で面白く、かつスモールサイズで起業できる時代(借金を抱えなくてもノーリスクで自宅でパソコン1台でビジネスができてしまう時代という意味)になっていましたから、尚の事明るい未来の可能性が感じられました。

そこで教えられたのが、「誰を、どうする?」これを散々叩き込まれました。悩みを解決した対価としてお金を頂くということは=お金を持ち出す場面は全て悩みの解決の場であるということが見えてくるようになりました。コンビニでお茶を買うのも、喉を潤したいという悩みを解決したいからレジでお金と商品を交換します。何か手に入れたい憧れの欲しいものも食品を買うのも全部お金を支払って自分の悩み(自分ではできないこと)を解決しているということになります。

では会社での仕事はどうでしょうか。自分が消費者の場合はお金を支払って悩みを解決してもらうのに対し、会社というものはその逆で、お客様の困りごとを解決してあげることで対価を頂くという仕組みになっています。
当社は「お客様の困りごとを解決する工場」です。お客様の製品をお客様自身ができない(または手間を省きたい)から当社にご依頼を頂いています。新しいお客様がお問い合わせしてくれるのは、お客様が今まさに困っているから何とかしてくれませんか?と相談されているということです。

よく好きなことを仕事にしようという言葉があったり、趣味を仕事にしてはならないといった言葉が飛び交うことがあります。誰かの悩みを解決できるのであれば、そこには対価が発生して仕事になるということですから、私は怖がらずに絶対にやるべきだと思います。(お金は夢や理念の実現への手段にすぎませんが、でもまずはライスワークが大事です。それに、例え1ヵ月に1万円しか売上がなくても、年間で12万円分の困りごとを解決した経済市場を自らが作れたと思えたら凄くないですか?額は小さくても、これ、結構誇りに思えると思うんです。)

以上を考えてみますと、世界中全ての人たちがお互いの困りごとを解決し合って回っているということになります。言い換えれば社会に対して、お客様に対して「貢献する」ということです。貢献とは社会のために役立つように力を尽くすことです。仕事の本質、働くことの根幹なので忘れないでいたいものです。

西田 幸治
西田 幸治

創業50年、お客様の声を形にすることを大切にしてきた当社は、産業機器の組立から設計・開発まで、一貫したモノづくりを提供しています。

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